チャーシューご飯、美味しいね

アメコミや特撮、ポリコレ問題について語ったりします。

シュタゲ フェノグラム 感想

岡部倫太郎編

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0.337199%(α世界線)

★★★★☆

オカリンがまゆりの作った衣装とタイムリープマシンを使って人助けをするアルパカマンとして活躍というコミカルな雰囲気で、とてもじゃないけどディストピアの未来が待ってるα世界線とは思えなかったけど、天王寺がラウンダーだったからα世界線ですね。

(ただし天王寺はα以外でもβ、そして3.0〜%台のδにおいてはラウンダー。SG世界線におかいては不明とされている)

ラウンダーの資金源が転売で儲けたお金だったとは思わなかったし、原作では命令してる側っぽかった天王寺も結局SERNに利用されてるだけなんだなあって感じるし、資金源が尽きただけで自殺不可避とは恐ろしくブラック…

そしてなにより岡部倫太郎が椎名まゆりの死をなかったことにしてること。どうあがいても収束からは逃れられないことで諦めてしまって、まゆりは生きてると思い込むことで逃げ続けてたっぽいのがとても辛くて、α世界線でもこんな平和になることあるんだ〜って思って読んでたから衝撃だった。まゆりの死をなかったことにしてる瞬間だけダルがよそよそしいのもまたつらかったし紅莉栖がSERNに協力させられてて鈴羽の憎む紅莉栖に近づいていってるのも辛い。

紅莉栖の叱咤激励を受けたのち、妄想のまゆりと別れを告げて鳳凰院凶真として完全復活し、タイムリープを行った岡部倫太郎がたどり着く結末はどんなものなのやら。

林直孝のお話も好きだけど、下倉バイオ氏のお話もかなり好き。二人が合わさったからこそ原作のシュタゲは最高なのかもしれんね。

 

橋田至編

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3.019430%(δ世界線)

★★★☆☆

だーりんとは異なる橋田至と阿万音由季の出会いの物語。だーりんでは鈴羽の彼氏気取りをしてたダルがうっかりコミマでぶつかった美女に一目惚れ、というなんだそりゃって感じの出会いだったけど、本作の方は割とまともな出会い方を果たしているかも。

Dメール送信の条件をオカリンやダルたちが知っていることから、だーりんで登場した変動率のδ世界線と比較すると、電話レンジの実験が捗っていると感じるし、割とシリアスだよね。

コミマ会場でラウンダーの取引が行われてたのはさすがにイカれてる…!M4が着るはずだったキャラのコスと由季のキャラのコスが似通っていたため、巻き込まれてしまったんだろう。

δ世界線は平和な世界線で、さほど2025年に岡部倫太郎が殺されるような大きな事件とかはなさそうだけど、どうなってるんだろう。というかα世界線並にシリアス。

萌郁はこの変動率ではラウンダーだったからラウンダーになってないんじゃなかった?と思ったけど、δ世界線って可能性の幅が広いのかもね。オカリンがまゆりと結ばれたり、萌郁といい感じだったり、萌郁がラウンダーだったり、天王寺と萌郁が擬似親子だったり。

世界線変動率3.0〜%のδ世界線はラウンダーが暗躍してる世界線で、3.1〜%のδ世界線は桐生萌郁がラウンダー以前なラウンダーの存在も不明。

爆弾を持ち去ってから行方不明になってしまった鈴羽はどうなってしまったんだろう。いやー卵が先か鶏が先かのアレでしたね。

個人的にはβ世界線のダルと由季が仲良くなるエピソードや、だーりんで描かれた方の出会いの方が好みかもしれん。

ぶっちゃけ、δ世界線である必要性なかったな…

シュタゲのメインライターの林直孝氏なら、いくらなんでもありだからってδ世界線をシリアスに扱うのはちょっとやめて欲しかったなあ。

 

フェイリス・ニャンニャン

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3.030493%(δ世界線)

★★★★☆

この変動率のδ世界線だとラウンダーが暗躍してる様子でやはりδ世界線は割となんでもありなんですかね。紅莉栖とまゆりが2010年の8月に死ぬことがないということ以外は、何が起こるかわからないんでしょうかね。ある意味、タイムマシンの存在の有無を除いて、SG世界線に非常に近い世界線なのかもしれません。

フェイリスに焦点を当てた物語は割とあるのですが、フェイリス視点での物語というものはあまりなかったのでそこは嬉しいですね。

フェイリス、いや留未穂は若い頃から大人の世界で生きてきたからめちゃくちゃ人間不信だし、嘘があそこまで嫌いなのは結構意外だった。

本作、非常に珍しくフェイリスと鈴羽が親友になる話ですし、橋田鈴状態の鈴羽が現代までご存命ってのも貴重。変動率3.0〜%のδ世界線って平和なα世界線って感じ。鈴羽のタイムマシンが片道切符だったり、ラジ館にぶっ刺さってたり、ラウンダーが存在してたり。

というかそれも、平和なはずのδ世界線じゃなくてもいいような。そこまで明るすぎるわじゃないし、α世界線を舞にしてても良かったんじゃ?

フェイリスが見つけた謎の弾丸をさりげなく回収するブラウン、鈴羽がラウンダーの存在を仄めかしたり、これは間違いな"機関"の仕業ですね。

鈴羽が1975年に飛んでも自殺や病死せずにそのまま死ななかった物語が描かれたのは良かった…α世界線として描かなかったのはやはり涼葉が橋田鈴として死ぬのが収束だからか?

 

阿万音鈴羽編

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0.337337%(α世界線)

★★★★☆

鈴羽がIBN5100回収のため、2010年から1975年に向かうまでの物語。

本当に鈴羽三昧で鈴羽三昧すぎるね。α世界線に何故か、β世界線の鈴羽やどこかの世界線の鈴羽(便宜上ω鈴羽と呼ばれていた)

ただ、ω鈴羽の鈴羽はω世界線なんですかね?マイナス0%台のΩ世界線かと思いましたが、Ω世界線だったとしたら、オカリンのことをオカリンおじさんと呼ぶはずがなく、ラボメンの繋がりがなかったことになってる世界線の人とは思えないので、ω世界線とΩ世界線は別の世界線ということですかね。ω世界線はαを基準とした世界線変動率23%台の新しい世界線ってことなんですかね。23%ってもう想像も出来ませんし。

そして、ω鈴羽のいる未来はSERNによるディストピア第三次世界大戦なんてなく、鈴羽が普通の女の子として暮らせることが確定してる。普通の女の子の鈴羽がいることが二人の鈴羽にとってどれだけ任務のモチベになっただろうか。ω鈴羽ってもしかして、SG世界線の鈴羽だったりしないかなー、そうであって欲しい。もしくはブラウン編の鈴羽が大人になった、とか。

※映画鈴羽はオカリンが消えて紅莉栖が執念紅莉栖になったSG世界線から来た鈴羽なので正史とは別の存在とする

ラストはα鈴羽ではなくまさかのω鈴羽(SG鈴羽の可能性も捨てきれない)の平和な日常が描かれてるのが良いし、鈴羽はすくすくと育てばこういう女の子として生きるんだろうなあって感じ。SG世界線を舞台にしたのダルの子育てオーディオドラマはこんな感じに育ちそうな鈴羽だったから安心。

あと、このストーリーのダルはキモオタよりも優しい父親の一面が出ててよかった。

(だーりんの鈴羽編のダルはひどかった…笑)

鈴羽の父親としてのダルって意外とそこまで描かれてないし、SG世界線のダルは優しい父親になるんだろうなあって思う。ダルも鈴羽もみんなもSG世界線では幸せに生きてくれ…

あと、鈴羽と紅莉栖が和解するのもすごく良かった。タイムマシンの母なんて呼ばれてる紅莉栖も結局、被害者だったんだな。あと鈴羽が未来紅莉栖の殺害に失敗してた設定が明かされたのは驚き。

 

桐生萌郁編

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0.509736%(α世界線)

★★★★☆

ひたすらしんどい。

萌郁視点でラボメンにスパイとして潜入からラウンダー襲撃の夜までが描かれる。本編よりもラボメンとの関わりが深いのがまた辛いし、プレイして良かったと思うし、本編でも掘り下げて欲しかったレベル。

めちゃくちゃしんどい。だんだんラボの居心地の良さを感じていって、ラウンダーとして生きていくことに悩み始めるけど、FBには恩があ。それをFBに見透かされているのも歯痒い。

岡部倫太郎視点で見てきたFBを踏まえつつ、萌郁視点で見るFBは最悪だけど、そんなFBも利用されてるだけなのでSERNって最悪ですね…

この変動率のα世界線ではなんと、ラウンダーであることよりラボメンであることを選んでし、まゆりたちを庇って萌郁は命を落としてしまう。これは本当にびっくりしました。

α世界線の収束はまゆりだけじゃなくて萌郁の死も収束なので、世界線を移動しない限りはどうあがいても逆らえないものなんですが、孤独に死んでいくものだけじゃなくてこういうものがあるのはまだ救いかもしれない。萌郁がFBに言われた通りに行動するのではなく、友達のために自分の意思で行動する場面はどの世界線でも素敵。

そして最後に萌郁がオカリンに頼んで送ってもらったDメールによって世界線が変動したのかな。萌郁の人生が根本的に変わるようなDメールだから、αやβでは留まらない変動を迎えてそうだし、たどり着いた世界線がSG世界線だったり、だーりん系のδ世界線に近いものだったらいいな…。

 

るか編

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0.456923%(α世界線)→1.049326%(X世界線)

★★★★☆

まさかの、原作ルカ子エンドのスピンオフ。

この世界線のルカ子は女。女ルカ子と岡部さんの恋愛はまゆりの死の上に成り立つ非常に残酷なもの。男ルカ子との恋愛はだーりんを見てると普通に上手くいくからルカ子は男であることが正しいというアレか?

このα世界線はルカ子が女、まゆりの死因はコミマ帰りに心臓発作で倒れて死亡という最悪のもので、じわじわと苦しみながら死んでいくまゆりがかなり辛い…まさかアレを二度見ることになるとは。個人的にまゆりの死ランキングで一位になるしんどさ。

無印(エリート)をプレイしてから結構経ってからといろんなシュタゲに触れたら、ルカ子エンドであの選択をしたオカリンに納得がいかなくなっていた。どんなことをしてでもまゆりを助けようとしてたのに諦めていいのか、と思ったけど、疲れすぎてたんだね。まゆりのことは救いたいけど、そのためにいろんな人の大切な思いをこれ以上犠牲にしたくないという優しさのジレンマで壊れかけてたんなら仕方ないですし、尊重した相手がルカ子なら"しっかりしなさい岡部倫太郎"パターンが起きないからもう絶望的ではある。ルカ子エンドから派生したこのシナリオのダルがオカリンに失望しきっててそこもつらかった。オカリンは戒めのためなのかタイムリープしまくってて感覚が麻痺してきてるなんてことは全く明かさないし。 

女ルカ子視点でルカ子がタイムリープしてまゆりとコミマに行く過程が描かれます。リーディングシュタイナーを経たオカリン視点だと、ルカ子がやってきて、まゆりちゃんは幸せそうでした〜みたいな感じだったんですが、それって普通に目の前でまゆりが死んだのをルカ子も経験した、そういう意味でも"岡部さんと同じになりたい"って思ってたんですね…

タイムリープ慣れしてないルカ子がタイムリープをする場面で、タイムリープがどれほど苦しいことなのかがハッキリと描かれてます。めちゃくちゃ苦しそう…

そしてこの話、ルカ子ルートの続き…と思いきや微妙に原作ルカ子ルートと変動率が違うことが伏線でした。エリート版では表示されなかったんですが、原作版ルカ子エンドは最後に岡部とルカ子の子どもが生まれてるCGが表示されるんですよね。ルカ子と岡部は何故かその場面を目撃して、ルカ子は"いけないこと"を理解します。そして、ルカ子は勇気を出してとあるDメールを送るわけですね。

ルカ子の送ったDメールによって世界線が変動して、病院で岡部倫太郎が入院中でまゆりも生きててルカ子も男の世界線に移動します。変動率は1%台らしいので、β世界線っぽいけど岡部倫太郎の入院…まさか、SG世界線の一つ?

恐らく岡部倫太郎の入院理由は牧瀬紅莉栖の救出か何かだと思われますが、真相は不明。

また、世界線変動率は実は微妙にSG世界線とは異なってるので別の世界線である可能性があります。一部では"X世界線"と呼ばれているらしいですが、由来はどこからなのでしょうか、公式が言ってたのかな?

ともかく、ルカ子エンドから派生してルカ子が勇気を出したことでまだ見ぬ世界線に到達して(恐らく)ハッピーエンドという形で終わります。この世界線は平和だといいな。

 

まゆり編

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0.571046(α世界線)→-0.195284(Ω世界線)

★★★★☆

まゆしぃいい子すぎる…

今回は本編の補完っぽいまゆしぃ。つまり、だーりん世界線のまゆりとは違っていわゆる"負けヒロイン"のまゆり。本編のシュタゲにおいてオカリンが紅莉栖を差し置いてまゆしぃを好きになることはまずないし、まゆり救出のためのタイムリープのループの中でオカリンを一番支えたのは紅莉栖なんだよね。そりゃ惚れるよね。

ただ、今回重要なところはそこではなくて、ついにまゆりが全てを知ってしまうこと。オカリンが紅莉栖に特別な感情を抱いてること、α世界線はまゆりが死ぬのが確定していること、オカリンがまゆりを救うために数え切れないくらいタイムリープして追い詰められていること。

β世界線に移動すれば紅莉栖を犠牲にまゆりは生きることができるけど、オカリンは紅莉栖もまゆりも大切だからそれが出来ずに悩んでいるし、αからβに移動したオカリンは紅莉栖と親密な関係になってるし、紅莉栖を失ったオカリンは鳳凰院凶真であることを失うし、その後オカリンがまゆりと恋人になろうが、まゆりが精神を病んだオカリンのことを懸命に支えようが、まゆりきっかけで鳳凰院凶真が復活することはないんですよね。本当に切ない…

まゆりの好きな鳳凰院凶真が誕生する条件はまゆりだとしても、まゆりの好きな鳳凰院凶真が復活する条件は牧瀬紅莉栖。アルパカマン編でも鳳凰院凶真が復活したのは紅莉栖の激励あってこそでしたからね。

そんな世界線はまゆりにとって幸せじゃないわけですよ。オカリンが例の高笑いをしてふざねてないとダメなんですよね。

まゆりはオカリンに重荷を背負わせたくないし、友達の紅莉栖も助けたいという思いでついにDメールを送る。それは~おばあちゃんが亡くなった日友達との約束を優先しておばあちゃんとの約束をドタキャンせずに守る"ということ。

おばあちゃんとの約束ではなく友達とのお祭りを選んでたのは知らなかったのでびっくりした。そうなると後悔もとてつもないだろうし、そんなまゆりの世界に色を取り戻した鳳凰院凶真の存在の大きさがよく分かるなあ。

それによって世界線が大幅に変動するわけです。まゆりがおばあちゃんが亡くなった日にその場に居合わせることで、悲しさはあっても後悔はないし、おばあちゃんの死後引っ越してしまったから鳳凰院凶真も誕生することがない。鳳凰院凶真が誕生しなければ、まゆりとラボを設立しない。

ラボを設立しなければダルとも出会わない。

そして、ルカ子もフェイリスも萌郁も鈴羽とも出会わない。

そしてラボがなければ、

紅莉栖と出会うことも無い。

そこはつまり、0%を下回る、マイナスの世界線、Ω世界線

Ω世界線では恐らく紅莉栖はラボメンと繋がりがないため日本に滞在する理由はなく、アメリカでレスキネン教授や真帆先輩たちと一緒にいるんだと思ってます。

まゆりは自分のせいでオカリンが苦しむことがないよう、そしてまゆりか紅莉栖か、それを感じなくて済むようにラボメンを犠牲にしたんでしょう。紅莉栖のことが触れられないのでここは少しモヤモヤはします。テレビに紅莉栖が出てて思い出す、くらいはあってもよかったんじゃないかなとは思うけどこの話のメインはまゆりのオカリンへの思いがメインだから仕方ない。

Ω世界線ならオカリンはラボメンのことで苦しむ必要はないはずだけど、オカリンはリーディングシュタイナー持ちで世界線が変動しようが変動前の記憶を継続して保持できる人間なので、まゆりの選択は逆にオカリンを苦しめるものになったかもしれません。フェイリスエンドとは違ってフェイリスとも何も関係はないでしょうし、オカリンはマジの孤独だったんじゃないですかね。

そんなオカリンが七夕の日にまゆりと再会できたのはベタですがエモいですよね。織姫様は彦星様と会えたわけです。

しれっと幼少期のまゆりはオカリンを"りんたくん"って呼んでたり、オカリンのファーストキスの相手がまゆりだったことが判明してましたね。幼少期ふざけてキスしちゃったって感じなので、りんたくんのちゃんとしたキスは原作の紅莉栖やフェイリス、だーりんのまゆりやフェイリスとかでしょうね。今思い出してもだーりんのまゆりエンドは本当に素晴らしかった。

本作のような"人質卒業"や、原作まゆりエンドのような"人質から恋人にレベルアップ"、いろいろありましたが、やっぱりだーりんの"一生人質"が一番エモいオカまゆだなあと感じます。

Ω世界線に到達したオカリンはまゆりとだけ再会するのか、他のラボメンとも再会するのか、それはわかりませんが、まゆりとだけ親密な世界線もそれはそれで素敵ですね。オカまゆ推しなので全然大歓迎ですが、割と多いオカクリ派はもうブチギレてそうですね。オカクリ派の人はファンディスク触るのやめた方がいい(今更)

あとは…電車内のちょっとすねてたようなまゆりめちゃくちゃかわいかったですね(唐突)

シュタインズ・ゲートでもまゆり幸せになってくれ…なんなら同級生属性のルカ子と結ばれてくれ…

 

天王寺

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3.386019(δ世界線)

★★★★★

ミスターブラウンがFBをやってない、純粋なブラウン管工房の店長として岡部倫太郎たちと関わりを持つタイプのδ世界線が舞台。

ほかのδ世界線と比べて鈴羽が未来から来てないという決定的な違いがあり、観測者がいないため、未来が決まってない可能性があるのでこれもまた一種のシュタインズ・ゲートなんだと解釈してます。

というか、この話で描かれたラボメンがオカリンとまゆりだけだった頃、天王寺親子と一緒にご飯食べてるシーンがあるんですけど、このシーンが本当に素敵すぎて、正史にも組み込まれて欲しいのでこの出来事くらいはSG世界線にあったと信じています。無論、天王寺はラウンダーじゃないという前提で。

いや、マジで理想郷なんですよこの世界線。鈴羽が過去に来る理由はないから来てないし(鈴羽が過去に来た場合、ジョン・タイターが現れるか岡部倫太郎に接触するかあるはず)、フェイリスのパパはご存命でありつつ秋葉原には萌えの文化がしっかりと存在してるし、天王寺や萌郁もラウンダーじゃない。非の打ち所がない。オカリンは助手ともまゆりともくっつく可能性がある。最高じゃん。最高じゃんね。

このお話は、宝くじで1等を当てちゃったブラウンが綯のためにビルを建て直したり、お母さんロボットを作ったりするけど、何をしても綯を満足させることは出来なくてDメールを何度も送信するって流れなんですけど、どうあがいても岡部曰く"クソビル"に収束するのが面白かった。

綯が求めてたのは"母であり、人であり、物"なんですよね。お母さんみたいな存在の人で、その人が使ってた物も必要としてるわけです。

この世界線は鈴羽が過去に来訪してない、それが伏線だったんです。綯には別の世界線の記憶がぼんやりと残ってて、鈴羽のことを思い出してたってわけです。β→α→δの順番で世界線を移動してて、鈴羽のことを良く知るオカリンがそれを理解して綯の心を満たす問題は解決する…という。

天王寺もなんだかんだで岡部倫太郎のことが好きなツンデレおじさんだったり、綯を楽しませてくれるラボメンの雰囲気も嫌いじゃないのも素敵ですし、なにより大人になった綯と"とある少女"の友好を描いたエピローグが本当に最高でした。

マジでこのシナリオだけでフェノグラムの元取れましたね。最高ですコレ。

 

紅莉栖編

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0.328403%

★★★★☆

助手、岡部のこと好きすぎでは?

まゆりを推しすぎて、ついつい忘れてしまうんですが、シュタゲのメインヒロインって紅莉栖なんですよね。もちろん紅莉栖も好き。

岡部倫太郎に対する思い、助手がオカリンを好きになった決め手、さまざまな惚気が描かれてはいるもここはα世界線"必ずまゆりが死ぬ"世界線なので、世界線だけでなく物語も当然それに収束していくのが非常に辛い。

無限に近い繰り返しの中で何度やってもまゆりを救えていない状況の真っ只中にいるオカリンを見るのは久々なので、本編のしんどさを思い出させる。しかも紅莉栖目線なので余計。

α世界線なのにフェイリスの口調が秋葉留未穂要素が強かったり、フェイリスパパが生きてたり"ん?"と思ったんですが、恐らくDメールでフェイリスが自分の父親が生きてるように改変した時期の話なんでしようね。

しかもご存命のフェイリスパパのおかげで、中鉢(章一)と紅莉栖の親子が少しだけ和解するのはかなりエモい展開でしたね。中鉢、タイムマシン理論にこだわるあまり、娘へのコンプレックスが強いあまりにβ世界線では紅莉栖を殺してましたが、実は娘への愛情はあったんでしょうね。ツンデレの親父はもっとツンデレだったという。

いや、本当にね。紅莉栖が岡部倫太郎のことをどれだけ好きかがほんとによく分かる。正直、紅莉栖はまゆりに比べてオカリンのことがどれだけ好きなのか分かりにくいじゃないですか、紅莉栖ってベジータくらいツンデレだから。

とはいえ、今回は本当に良かった。鳳凰院凶真はどうしようもないけど、実は誰より優しくて面倒見が良くて、真面目で誠実な岡部倫太郎のことが好きなんですよね。そういうの凄くいい。まゆりが自分のために鳳凰院凶真を演じてくれてるオカリンが好きな気持ちも尊いし、紅莉栖の岡部倫太郎をしっかりと理解した上で好きなのも尊い。オカリンを正しく理解してると紅莉栖なら、まゆりも喜んで幸せを願えるでしょうね。まゆりもオカリンの幸せを願うだけでなく、まゆり自身も誰かと幸せになってくれ…

父親が生きててもそこまで厨二病に変化がないフェイリスだけど、秋葉留未穂のかわいさが少し前面に出てる感じがしてずるいっすね…ずるいぞ秋葉留未穂…ギャップ萌えみてえなのずりぃぞ…。

この話は、憔悴していた岡部倫太郎の元に牧瀬紅莉栖がやってきて、紅莉栖が岡部の支えとなるきっかけの紅莉栖視点のお話。父との和解をなかったことにしてでも、岡部倫太郎を救いたい紅莉栖の岡部に対する健気な感情が描かれる。エモいんだけど、父との和解を描くなら別の世界線でも良かったんじゃ?という感じはある。δ世界線や、なかったことにならないSG世界線、とか。フェイリスパパが生きてることが和解の条件なら切ない。

 

鳳凰院凶真編

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4.456441%(ε世界線)→4.493624%(ε世界線)
4.530805%(ε世界線)→4.4556442%(ε世界線)

4.493623%(ε世界線)

まさかの4%台という新たな世界線が登場。

その世界線は…よくわからない。何これ?マジで何これ?なんだこれ?なんだこれ?

"岡部倫太郎編"から続いてるようにも思えるけど、世界線変動はDメールがないと発生しない、どうなってる?深く考えたら負けか?

このシナリオだけはこのように考えながら感想を書いていると、ものすごく長くなりそうなのでプレイし終えてから書くことにしました。

…はい、ズバリこのシナリオは、3つの世界線が濃密に絡み合う物語です、かなり面白い。ちょっと分かりづらいかもしれないけど、読んでればすーぐ分かる。分からないならアメコミを読みなさい。正史に限りなく近い世界とか出てくるアメコミを読めばすんなり楽しめるぞ。

最初はα世界線(おそらくジキルのような時点から)移動してきたオカリンはε世界線のことを何も知らないのでテンパってました。こっちもテンパりました。

携帯なしかつハキハキと喋る萌郁が登場したのは何よりの衝撃でした。δ世界線でラウンダーじゃないパターンの天王寺にとっての理想郷じゃん。

3つの世界線、正確にはマイナーチェンジ版の第一、第二、第三世界線が登場するので9つの世界線ですね。

ε世界線はホント些細なミスでラボが火の海になったり、些細な勘違いで岡部倫太郎が300万円の借金を背負ったり(まゆりの懐中時計を取り戻すため)、δ世界線に比べると平和ではありませんが萌郁は普通のライターとして生きてるし、ラウンダーが存在しなさそうですね。

ε世界線で起きた事件の原因はラボの火災を除き、フブキちゃんのお兄ちゃんのせいですね。まゆりが好きなのはわかるし、まゆりのラボにの役に立ちたいという健気な気持ちを感じて300万円をまゆりにあげちゃうのも凄まじいですが、鳳凰院凶真のような魅力は無いのでいい人止まりでしょうなあ。可哀想だけどε世界線のオカリンが300万円の借金をを背負う羽目になるのはこいつのせいなので可哀想ではない。フブキちゃんはボーイッシュでショートヘアの美女なのにお兄ちゃんはどうしてこんなやつなんだ!

しかし、ゼロより前の作品なのでフブキちゃんより先にお兄ちゃんが出てるってすごい話ですね…

 

綯編

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0.337161%

SERNのディストピアに向かっていくα世界線を中学生になった綯視点で描くお話。

まゆりがあらゆる形で死ぬα世界線は見てきたんですが、この作品では割と"SERNに協力させられてる岡部倫太郎、牧瀬紅莉栖、橋田至"が描かれてます。

つまり、鈴羽がやってきた2036年に向かっているわけです。これもこれでしんどいけど、綯が岡部倫太郎を殺害するあのα世界線とは異なるようで安心してます。バラバラになったラボメン、そしてラボメンの現在の状況から綯がまゆりの死を察してしまうのは切なかったですね。

FBの自殺により、秋葉家に引き取られた綯ちゃんは普通の女子中学生として生活していましたが、ある日ダックおじさん(ダル)と再会したことで日常に変化が起きます。

タイムマシンを作ろうとするダルとそれに協力する綯という天王寺が生きてるシュタゲ本編やβ世界線のゼロ、そしてδ世界線では見られない特殊な状況で誕生した奇妙なコンビが誕生した。オカリンやダルのことが苦手なのは知っていたけど、生理的に受け付けないはひどい!笑

さすが、ミスターブラウンの娘。ブラウン管の知識がなかなかに豊富で、ブラウン管テレビを修理しちゃうのはすごいね。綯様!!

電話レンジを起動したことで黒服に気づかれたダルがどうなったのか、そしてDメールはどのように作用するのかは不明。それを知るのは岡部倫太郎のみ。別の世界線でのお話も好きだけど、シュタゲ本編の補完要素もしっかりある所も推せるポイントですね。

ロボティクスノーツに続くお話ではなく、ディストピアに収束するお話なのでロボティクスノーツの要素は出てきませんが、ゼロや本作の断片的な描写から綯がどんな職業に就きたいかはなんとなく見えてくる感じがします。点と点が線になるのがシュタゲの醍醐味ですもんね。

 

まとめ

岡部倫太郎ではなく他のラボメンたちの物語が豊富で楽しかったですし、ほかのキャラを通して客観的に見るリーディングシュタイナーがあんなに奇妙なものだとは思いませんでした。

賛否両論の作品ですが、僕は賛でしかないです。

これまでのシリーズで登場した3つの世界線のほか、4%台のε世界線、そしてSG世界線に近い存在である様子のX世界線が登場。平和な世界線であることを望んでます。

SG以外にも平和でみんなが幸せになれる世界線はあるんだ、ということを感じることが出来ましたが、これを台無しだと言う人もいるでしょう。

でも、岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖のカップルを推してる人が目指すべきはシュタインズ・ゲート世界線なのだからそれでいいじゃないですか。

オカリンとまゆりの二人ぼっちなΩ世界線、ルカ子もオカリンもまゆりもみーんな幸せなX世界線天王寺もラウンダーじゃないし綯も鈴羽も幸せそうなδ世界線、女の子らしい生活を満喫する鈴羽がいるどこかの世界線、SG以外にも希望がたくさんあることを知れて良かったです。

ただ、シリアス寄りなδ世界線は見たくなかったかな。フェイリスやダルシナリオがラウンダー襲撃やまゆり死亡が少し遅れたα世界線でいいじゃんって設定の物語だったので、ちょっとそこだけモヤモヤ。あとは大丈夫。最高。 

あと、登場するα世界線はそれぞれのDメールをなかったことにしてない状態が保持されているので基本的にフェイリスパパが生きてるのもポイント高いですね。

一番お気に入りの話はまゆりの死から逃げ続けている岡部倫太郎編、3つのε世界線が入り乱れる鳳凰院凶真編、鈴羽が平和な世界線の存在を知って希望を抱く阿万音鈴羽編、理想郷すぎる天王寺裕吾編、まゆりが健気すぎる椎名まゆり編、ルカ子ルートに救いをもたらした漆原るか編です。

最高なのでやってみてください。

 

シュタゲゼロエリート楽しみです。