DCってどんな遍歴持ってるの?
はい。
少し前の記事ですが、柳下毅一郎氏のDCに関する記事というとのがあるのですが、これがもうエアプも大概にしてくれと言わざるを得ない代物でした。こういうのを真に受けて雑語りが増えていくんですよね。邦訳すら読んでない分際で語って欲しくはないです。
そんな柳下氏の記事をの一部抜粋。
一部は間違ってませんが、悪意を感じますし中途半端な知識で全部知った気になっているようでして、NEW 52からREBIRTHの認識が完全に間違っています。もしかすると、読んでいないどころか全然知らないのかもしれません。
これはDCファンとしては納得の行く記事ではないし、ファン以外が読んだらこれを事実だと信じてしまいかねません。
というわけで、今回はあの記事よりはまともなDCの歴史のご紹介をさせていただきます。
DCユニバースの歴史
1938年、スーパーマンが誕生する。
飛行、怪力、目からビーム等のさまざまな能力を持つスーパーマンは大人気のヒーローになる。
そして、1939年。スーパーマンとは打って変わった別ジャンルのヒーロー、バットマンが誕生する。
バットマンは極限まで鍛え上げ、能力を磨いた普通の成人男性という設定が大好評。鍛えれば自分もバットマンになれるかもと憧れたのは子どもたちだけでなく、大人たちもであろう。バットマンは世界で最も売上の高いアメコミとして有名であり、バットマンは恐らく世界で最も人気の高いアメコミヒーローとしてその名を轟かせている。
スーパーマンとバットマン、この二人の登場が"コミックヒーロー"という今にも続く素晴らしい文化を作り上げ、それまでは西部劇が主流であったアメコミに世界を代表する二大アメコミヒーローの登場で、DCユニバースとしての歴史が幕を開けた。
1940年代。
バットマンの宿敵のジョーカーが誕生。
今と全く変わらないスタイルに驚きを感じる。他には、ワンダーウーマンやアクアマン、シャザム、フラッシュ(ジェイ)やグリーンランタン(アラン)など、"ゴールデンエイジ"を彩るキャラクターが誕生。
また、世界初のヒーローチームである"ジャスティス・ソサエティ"が誕生する。
しかし、コミックブームは長続きせず、1940年代終盤には売上は低迷しきっており、第二次世界大戦の終了と共に、ゴールデンエイジのヒーローたちもコミック界からフェードアウトしてしまうこととなった。
1950年代にはコミックの読者層も入れ替わっており、編集者はゴールデンエイジに活躍したヒーローの設定をリメイクし、新たなヒーローたちを生み出す。フラッシュ(バリー)やグリーンランタン(ハル)は、こうしてコミック界に姿を表すのだった。
また、時代に合わせバットマンやスーパーマン、ワンダーウーマン等の既存のヒーローもリメイク。1940年代に登場したジャスティス・ソサエティの現代版ヒーローチームが1960年代に登場。それこそが誰もが知る"ジャスティス・リーグ"だ。これが、DCにおける"シルバーエイジ"である。
ある日、ガードナー・フォックスというライターが"二人のフラッシュを共演させる"という当時としては驚愕のプランを思いつく。
当時、雷に打たれてスピードを得たバリーは、昔読んだコミックの主人公のジェイ/フラッシュから影響を受けて、フラッシュと名乗ったという設定であり、バリーの住む世界にジェイは存在しない。シルバーエイジとゴールデンエイジのフラッシュはそれぞれが別の世界に住んでいるため、共演することなど不可能に等しかったが、フォックスは"あの設定"を生み出すのだった。
二人のフラッシュをを共演させるために誕生した概念があの"マルチバース"なのだ。
その後、夢の共演はフラッシュだけに留まらず、ジャスティス・リーグとジャスティス・ソサエティが夢のクロスオーバーを果たすことになるのだった。
当時、主流だったシルバーエイジのDCユニバースはアース1、ゴールデンエイジのDCユニバースはアース2と呼ばれたり世界ごとの番号が割り振られる。
そして、マルチバースはコミックの数だけ存在し、やがては把握しきれないほど多くのマルチバースが登場し、新規読者の獲得は難しくなっていった。
さらに、キャプテンマーベル(シャザム)は、元々はDCではなく別のコミック会社(フォーセットコミックス)のキャラであり、DCキャラではなかった。
だがある日、キャプテンマーベルの売上が低迷し、キャプテン・マーベルはコミック界から退こうとしたところ、DCがキャプテンマーベルの権利を買収することになり、平行世界の"アースS"のヒーローとして活躍し始める。コミックの展開によってパラレルアースが次から次へと誕生し、把握が難しくなっていったのである。
余談だが、スーパーマンとキャプテンマーベルは単純な力比べならほぼ互角なのだが、スーパーマンは魔法に弱くキャプテンマーベルは強い。そのため、もしかするとキャプテンマーベルが最強のヒーローなのかもしれない。
1980年代、DCの編集者は思い切った案、"マルチバースの廃止"を発想し、"クライシス・オン・インフィニット・アースズ"という作品の中で、ほとんどのマルチバースが消滅し、辛くも残ったアース1、アース2、アースS等が融合し、新たなる単一の正史世界の"ニューアース"が誕生。ジャスティス・リーグやジャスティス・ソサエティ、マーベル・ファミリーが同時に存在する新世界を舞台に物語は展開し始める。
しかし、単一世界となると描ける幅が狭くなり、"未来世界"などの描写が非常に困難となってしまった。
そこで、DCは"ハイパータイム"という概念を生み出す。ハイパータイムの定義はマルチバースとは異なる。世界は正史世界だけだが、未来の可能性は無数にありどうにかすれば可能性の未来にアクセスが可能に、そういうような概念が代わりに持ち込まれた。
2006年。"インフィニット・クライシス"という作品の中で、マルチバースの概念が長い歳月を経て復活した。
しかし、52個のマルチバースがあるが、ニューアースと同じ世界が52個存在していることになってしまうも、その後の"52"というイベントの中で52個の世界に変化が置き、マルチバースらしい、正史と全く違う世界あるいはありえた可能性、こうなってたら面白いよねという世界群に変わったのである。
ニューアースも現存する中、マルチバースも復活し、新体制となったDCユニバースだったが、2011年。これまでにない最大規模の変化が
訪れる。
"DCユニバースの歴史の再定義"が行われたのだ。
フラッシュポイントを経て、歴史が大きく変わった新たなニューアースは"プライムアース"に変化した。
プライムアースを舞台とする"NEW 52!"では、これまでとは全く異なる歴史を持つヒーローが登場。スーパーマンやワンダーウーマンだけでなく、本当にさまざまなヒーローが歴史と姿を変えたが、実はバットマンとグリーンランタンに関しては、理由は不明だがフラポ前と特に差がないどころか明らかに地続きであり、ニューアースの出来事はバットマンとグリーンランタン限定だが失われず、少し修正された形ではあるが現存している。彼らにどんな変化が訪れたかの詳細はまたの機会に。
2016年。変化を加えすぎて都合が悪くなったDCは、プライムアースをニューアースに戻すようなことは一切せず、プライムアースはそのまま継続。ニューアースの設定にプライムアースを寄せていくイベント"リバース"をDCは行うことにした。
要は一部作品に関しては新章突入、だけに留まっているわけです。
つまり、柳下氏の"REBIRTH"は以前の正史世界を元通りに戻したイベントではないということ、"NEW 52"と"REBIRTH"が別の世界という認識はとてつもなく大きな間違いである、ということです。あくまで地続きなのでNEW 52の世界観が基準。柳下氏はそれすら把握出来ていないのにああいうような批判を行っていたわけですね。許されることではありません。
2017年。
新たな概念がまた登場することになる。
それはダークマルチバース。悪夢が具現化したようなおぞましい世界が広がる。一部は失われた歴史の世界もあるらしいが。そんなダークマルチバースからやってきたジャスティス・リーグの面々に近い能力を持つ邪悪なるバットマン軍団。
そんな彼らと正史世界のジャスティス・リーグやナイトウィングを初めとする他の面々が戦う話、"ダークナイツ:メタル"が展開される。
どうですか!!!壮大で面白いでしょ!?
もっと知りたい方はもっとちゃんとした方の
ブログやウィキペディアを参照あれ。
というか邦訳で追っていってほしいかな。
というわけで今日はこんな感じで終わり。